SmileWave: 自撮り画像を介したネットワーク情動伝染の評価

幸福感は、私たちの人生のさまざまな側面に影響を与える最も基本的な要素のひとつです。過去の研究では、ある人の幸福が他の人の幸福に影響を与えることが分かっている。このような感情の伝播は、「情動伝染」と呼ばれる現象で、ある人が表現した感情と同じ感情を、その人とコミュニケーションをとることで知覚的に経験することができる。

モバイルコンピューティングの普及により、オンラインコミュニケーションの機会は増加しているが、オンラインコミュニケーションにおける感情伝染については、まだ十分な研究がなされているとは言えない。特に、ソーシャルネットワークメディアに投稿された自撮り写真を介して、人々の間で感情伝染が起こるかどうかは、まだ明らかになっていない。

そこで、自撮り写真による情動伝染を調査するためのSNSシステム “SmileWave “を実装しました。SmileWaveの特徴は、ユーザーが自撮り写真を投稿する際の「笑顔度」と、他人が投稿した写真を閲覧する際の「反応笑顔度」を検出できる。38名の参加者を対象に2週間の実環境実験を行った結果、自撮り投稿写真を見たユーザーの笑顔度が平均15%向上したことから、ソーシャルネットワーク上で自撮りに基づく情動伝染が発生していることが明らかになった。

研究成果

  • Sasaki, W., Nishiyama, Y., Okoshi, T., and Nakazawam J., “Investigating the occurrence of selfie-based emotional contagion over social network”. Social Network Analysis and Mining, Vol. 11, Article 8, 2021.
  • W, Sasaki, M. Obuchi, K. Egashira, N. Isokawa, Y, Furukawa, Y. Nishiyama, T. Okoshi and J. Nakazawa – “Poster: Extensive Evaluation of Emotional Contagion on Smile Selfies over Social Network” in the 15th ACM International Conference on Mobile Systems, Applications, and Services June 19th – 23rd, 2017 Niagara Falls, NY, USA
  • W. Sasaki, Y. Furukawa, Y. Nishiyama, T. Okoshi, J. Nakazawa, and H. Tokuda, “Poster Abstract: SmileWave – Sensing and Analysis of Smile-Based Emotional Contagion over Social Network,” in 2016 15th ACM/IEEE International Conference on Information Processing in Sensor Networks (IPSN), 2016, pp. 1–2.

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